1 食のまちおこしは“食”が先ではなく“まちおこし”が先
2 食のまちおこしは飲食店が中心になってやってはいけない
3 食のまちおこしは“創る”のではなく、まず“探す”
4 食のまちおこしは観光客をターゲットにしてはいけない
地方で年に一度、二日間開催されるB-1グランプリは、国内最大級の集客を誇るイベントとして認知されるようになりました。
「日本最大のグルメイベント」「各地で開催されるグルメイベントの頂点」などと呼ばれることがありますが、B-1グランプリはまちおこしイベントであって、グルメイベントではありません。
もっとも重要なポイントは開催目的です。B-1グランプリは料理の販売をすることを目的とするのではなく、料理を通じて地域をPRすることを目的としています。
商業系イベント・公共的イベントに関わらず、通常のイベントは開催期間に多くの集客を目的としています。
B-1グランプリでは多くの来場者に訪れていただきますが、主目的はB-1グランプリをきっかけに現地に来ていただくことです。
多くのグルメイベント、特に商業系イベントは当日に多くの方に来てもらおうと、「このイベントでしか食べられない」といった限定企画をよく実施します。
一方、B-1グランプリでは現地に来てもらうことが目的ですので、イベント当日にしか食べられないもの(特別なトッピングや素材を使用したものなど)を提供することはできません。
現地で標準的なレシピで調理したご当地グルメを提供しています。
B-1グランプリではハーフサイズでの提供と地元での販売価格を考慮して、量と価格を団体ごとに設定しています。
ハーフサイズとしているのは食べ比べをしてもらうためです。
価格は300円から500円ですが、食材の価格などの違いで設定しています。
都市部のグルメイベントなどではやきそばが1000円近くするものもあります。
飲食を生業としていれば、高い交通費や出展料を払ってイベントに出店したら元を取らなくてはなりません。
またお客様も現地に行かなくとも食べるのだから多少高くても、と納得して購入されるのだと思います。
B-1グランプリは現地に来てもらうきっかけ作りの場ですので、自慢の料理を味わってもらうことはもちろんですが、地元と同じ程度の価格で、複数のご当地グルメを口にしてもらい、合わせて地域の良さを感じてもらえればと思います。