10月20日・21日に福岡県北九州市にて開催された「第7回B-1グランプリ」では史上最多となる61万人が来場し、経済効果は78億円とも呼ばれています。これほどのマネーが動くB-1グランプリとは一体何なのでしょうか?
詳しく知らない方のためにまずはB-1グランプリとその歴史について解説します。その後、過去の経済効果からいかに地域活性化につながるか解説していきたいと思います。
第1回B-1グランプリの来場者数は17,000人ほどだったのが、第8回では61万人。
来場者は増加にありその規模も大きくなってきています。
それではどのぐらい経済効果はあるのでしょうか。
総務省「緑の分権改革の推進に係る取組の経済効果等の分析について(案)」から経済効果の試算結果が公表されています。
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この経済効果を見ていただいてもわかるように、単純に開催地だけが潤うわけではありません。
ゴールドグランプリを受賞したB級グルメの地域はもちろん、入賞でも億単位のお金が動く可能性があることがわかります。
B-1グランプリから波及する経済効果がいかに地域活性化に貢献するかよくわかりますよね。
今後、さらに出場する団体は増えることでしょう。そして更なるビッグイベントへと拡大していくことかと思います。
食を通じた「まちおこし」は、農林水産省や自治体が取り組む、6次産業化につながる。
6次産業化とは、地域資源を生かした一次産業の振興や、地域活性化を図る方策として進められている以下の取り組みだ。
6次産業化が唱えられはじめた背景には、加工食品や外食の普及により一般の消費者が食料品に支払う金額は増えたが、加工や調理などの付加価値分が販売価格に上乗せされただけで、農林水産物の市場規模がほとんど変わらなかったことがある。食品製造業や流通業、外食産業の多くが都市部に位置し、地方の農山漁村が衰退していった。
この状況をうけて、農家や地方などが生産だけでなく、加工や販売・サービスまで行って農林水産物の付加価値を高め、所得の向上や雇用の創出を目指す、6次産業化が推進されるようになったのだ。
B-1グランプリの出展者は、地方の人たちが集まってご当地グルメを開発し、イベントの来場者に、郷土料理や地域をPRする。それが後に、地元への観光客を増やすことにつながる。
出展者がB-1グランプリに出展するまでの歩みは、6次産業化に向けた活動の一環といっていいだろう。
そして実際に、過去にゴールドグランプリとなった団体は、一気に知名度が上がり、団体の地域に多大な経済効果をもたらしている。
第1回と第2回でゴールドグランプリに輝いた「富士宮やきそば学会」(静岡県富士宮市)の富士宮やきそば(写真)。
今やB級グルメを代表する1品となった。その経済波及効果は、2001~2009年までの9年間で、439億円に及ぶと類推されている。麺や食材の製造・流通・販売のほか、メディアなどによる波及効果や、観光客の増加などが含まれている。
B-1グランプリ発祥の地でもある青森県八戸市。
2012年にゴールドグランプリを受賞し、数年に渡り上位にランクインしている「八戸せんべい汁研究所」の八戸せんべい汁がもたらした経済波及効果は、563億円に上るという(総務省「緑の分権推進会議」調べ)。